ACROSS the BORDERLINE FF

快樂する仏蘭西映画とか

ロスト・イリュージョンだった

1984年3月3日土曜 曇り 高田馬場
フランソワ・トリュフォー『大人は判ってくれない』

この映画を最初に観たのは、自由ヶ丘の映画館で、おやじに連れられてだったという記憶がずっとあった。
ところがこの映画の日本公開は1960年。父親はわたしが八歳のときに廃人化しているので、この記憶は成り立たない。わたしが観ているのは京都においてだったはずだ。わたしは長いあいだ「捏造された記憶」ロストイリュージョンをいだきつづけていたことになる。
プルーストよりラビリンスだな。
憶えていたのは、ジャン=ピエール・レオーがミミズを喰うところと、ラストの少年院に護送されていくシーンだけだった。

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